TEACCH≪自閉症とその関連する領域にあるコミュニケーション障害の子どもたちの治療と教育≫は、
アメリカノースカロライナ州立大学を基盤になされている自閉症と
その家族、関係者(教師やグループホームなどの支援者等)を対象にする包括的プログラムです。
このプログラムでは、自閉症の方のそれぞれの特徴に合わせた
「環境設定」と「支援方法」を確立することを主眼においてアプローチしていきます。
TEACCHの目的は、自閉症の人が社会の中で有意義に暮らし、
できるだけ自立した行動をできるように支援することにあります。
自閉症を正しく理解し、自閉症の特性に配慮した教育や支援を行うことで
、誰でも今より自閉症の支援を適切にできるようになります。
自閉症の特性は、世界共通です。
TEACCHプログラムは、自閉症の援助プログラムとして、
日本でもさまざまな実践がされています。
TEACCHの基本理念
理論ではなく、観察から自閉症の特性を理解する
親と専門家が協力して対応する
治癒ではなく、自分らしく地域の中で生きていけることがゴールである
個別に正確な評価を行う
構造化された指導法を利用する
認知理論と行動理論を重視する
スキルを伸ばすと共に弱点を認める
ジェネラリスト(自閉症に関わる人は、自閉症を取り巻くあらゆる問題に精通していなければならないという考え方)であること
生涯にわたり、地域に根差した生活を送る
TEACCHの特徴的アプローチ
TEACCHプログラムでは、ある特徴的なアプローチをします。
それは、「自閉症は動機づけの障がいであるともいえる」という考えの元、その動機づけの問題に対処するために、下記のような「ワークシステム」を設定するというものです。このワークシステムは、
1. 何の課題か?
2. いつまで(どのくらいの量を)やるのか?
3. どうなったら終わりなのか?
4. 終わったら次は何があるのか?
といった4つの情報を一気に視覚的に与えることができます。
このシステムのおかげで、自閉症の人は終わりの見通しがつき、彼らの動機づけを非常に高めることができるのです。
また、動機づけには、何のためにこの課題に取り組んでいるのかという明確な意識付けと、脳の報酬系(欲求が満たされたとき、あるいは満たされることがわかった時に活性化し、快の感覚与える神経系のこと)の活用、つまり「達成感を得る支援」が有効です。
TEACCHのメソッドを用いて教えることで成功体験を重ねると、認知面の学習が進み、発達も促進されることが多いことが科学的に証明されています。